※変人むろちん














 氷室先輩に告白された。説明しよう、私と彼はお互いを見知ってから1日しか経っていない。昨日入学式、今日新学期1日目。つまり早すぎる。

 「いやあ、ちょっと」

 そう言ってあいまいに笑って逃げようとしたら、とんでもないことに壁際に追いつめられた。このひと変だ。私が叩いてもびくともしなさそうな腕に囲われて、恐ろしくもきれいな笑顔が間近に迫る。右目の泣きぼくろにだって、今気づいたっていうのに。泣きたくなった。

 「せ、せめてお友だちから、」

 「ごめん、それはオレが欲しい答えじゃないな」

 人さし指で唇を塞がれた。いきなり呼び捨て。これがアメリカ流か。





ベストアンサ


Title / hakusei 
ひととせの蝉から拝借